桃林春秋 torin-syunjyu

大阪八尾市の和菓子屋 與兵衛桃林堂のブログです

茅葺き屋根の葺き替えの模様

桃林春秋をご覧頂きありがとうございます。
與兵衛桃林堂にまつわる、小さな情報をお伝えしております。

今月13日より始まりました、茅葺き屋根の葺き替えの様子をお知らせいたします。翌日14日には、丸太や木の板で足場が組まれて、15日より現在屋根に乗っている古い茅を抜く作業が始まりました。

屋根に登って茅を抜いておられる隅田さんです。下から見る私どもは、屋根の上の作業風景に、凄いなー、などと感嘆の声を上げるばかりです。

大宇陀の隅田さんの茅置き場から、新しい茅が車に積まれて毎朝やってきます。2メートル近くあるでしょうか、穂先までとてもきれいな黄金色です。主に宮城県北上川の河畔に生えているヨシだそうです。小店は住宅街の中にあり敷地も狭くて、抜いた古い茅とこれから葺く新しい茅を置いておく場所も余裕がないために、その都度に古い茅を持ち帰る、新しい茅を持って来るという手間をおかけしています。古い茅は、山に肥料として戻されると聞きました。50年間屋根を守ってくれた茅に、まだ最後まで役目が待っているとは、茅にも隅田さんにも感謝の気持ちが致します。そして、ものを無駄にしない昔の人の知恵にも感服致します。

 新しいヨシは、色も浅くとてもきれいです。写真ではお伝えできませんが、このヨシは、潮の満ち引きによって海水も混ざる河畔に生えているそうで、海水に浸った部分は赤みがかった茶色をしています。古い茅は、すすけて黒くなっています。昔は、いぶす煙が茅を強くし殺虫効果もあると、下で火を焚いてすすを上げていたようです。
朝はとてもきれいな姿の隅田さん達も、帰る頃にはすすとほこりで真っ黒になれています。隅田さんは、茅にすすはつきものやから、と優しい笑顔でおっしゃっていました。

現在は裏側の屋根をしていますが、順に表面の作業に進んでいきます。
581-0004 大阪府八尾市東本町2-5-12 與兵衛桃林堂
     電話 072-929-3663  ファックス 072-929-3665
ホームページ  http://www.e-torindo.com