桃林春秋をご覧頂きありがとうございます。
與兵衛桃林堂にまつわる、小さな情報をお伝えしております。
しばらくご無沙汰しておりました。あの痛ましい震災から早くも…と申していいのかさえわかりませんが、一月余りが過ぎました。関西、八尾の私どもはおかげさまで無事春を迎えました。春はいいなぁ…と思える幸せをこんなに感じた春はないような気が致します。この無事の有難さに気づかされ、東北の方々のことを思って毎日を過ごしている人がこの八尾にも沢山いらっしゃると思います。震災後も厳しい寒さが続いた東北にもようやく春が訪れ、少しでも沢山の方々の心に春の力を注いでくれたら…と祈ります。
二月に無事葺き替えを終えました小店の茅葺き屋根、新しい茅、太陽の陽射しに輝くこの茅は、主に宮城県北上川の河畔のもの、そして一部には青森県の五所川原の茅が葺かれています。棟梁の隅田さんのお話では、宮城の茅にも茅の職人さん方にも被害が及んでいるそうです。再び北上川にヨシが生え、そのヨシが刈られ屋根に葺かれていく日が、早く訪れて欲しいですね。
さて、九回目を迎えますかしや寄席は、おかげさまで今回もお申し込みを沢山頂戴しておりまして、先日申し込みを締め切り致しました。案内が不行き届きのまま締め切り後にお断りをしましたお客様もあり、申し訳ございませんでした。また次回、秋のかしや寄席をお楽しみにしていただきたく、お願い申し上げます。
林檎の果汁・林檎ゼリーでお世話になっております、青森・岩木山麓のりんご園から、震災後にお便りを頂戴しました。林檎の果汁のラベルを描いて下さった流郷由紀子さんの絵が描かれた、とてもきれいな絵葉書でした。りんご園では大きな被災は免れたそうですが、それでも電気、資材や物流などで問題があったようです。お便りの最後に、「被災地を思えば文句は言えません。東北人の底力をご覧に入れます」と力強いメッセージがありました。私どものほうが元気づけられました。テレビや新聞を通してみる東北の人々の姿にも、頭が下がることばかりです。見習うべきところ、自分なら耐えられるだろうかと思うことが沢山で…無事な者の心にも大きな何かを与えた震災でした。それにしましても、被災地の方々が、少しでも穏やかな心で過ごせる日が早く戻りますようにと祈ります。
581-0004 大阪府八尾市東本町2-5-12 與兵衛桃林堂（月曜日定休日）
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